災害用にサブ回線を契約しても、スマホ側で設定しなければ使えません。ここではiPhoneに2回線目(eSIM)を追加する手順を、Apple公式サポートの記載にもとづいて解説します。

物理的なSIMカードの差し替えが不要なeSIMなら、申し込みからオンラインで完結します。メイン回線を残したまま2回線目を持てるのが「デュアルSIM」です。

対応機種を先に確認する

Apple公式サポートによると、条件は次のとおりです。

条件内容
基本の対応iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降
eSIMを2つ使う場合iPhone 13以降のモデル
通信事業者eSIMに対応していること

「物理SIM1枚+eSIM1つ」ならiPhone XS/XR以降で使えます。eSIMを2つ同時に使いたい場合はiPhone 13以降が必要です。

SIMロックに注意

Appleの記載で見落としやすいのが次の点です。

異なる2つの通信事業者を利用するには、ご利用の通信事業者がiPhoneのロックを解除する必要があります。ロックが解除されていない場合は、両方のプランを同じ通信事業者のものにする必要があります。

災害への備えとしてサブ回線を持つ意味は、メインとは別の会社の電波を確保することにあります。SIMロックがかかったままだと、それができません。中古や古い端末を使う場合は、購入元の通信事業者にロック解除の状況を確認してください。

eSIMを追加する手順

Appleは複数のアクティベート方法を案内していますが、格安SIMの申し込みで一般的なのはQRコードを使う方法です。

QRコードを使う場合

契約後に通信事業者からQRコードが届いたら、次の手順です。

  1. カメラアプリを開いてQRコードをスキャンする
  2. モバイル通信プランが検出されました」という通知が表示されたらタップする
  3. 画面の下部の「続ける」をタップする
  4. モバイル通信プランを追加」をタップする
  5. 確認コードの入力を求められたら、通信事業者から提供された番号を入力する

なお、iOS 17.4以降でメールやブラウザ経由でQRコードを受け取った場合は、QRコードを長押しして「eSIMを追加」をタップする方法もあります。

情報を手動で入力する場合

QRコードではなく設定情報が提供された場合の手順です。

  1. 設定アプリを開く
  2. モバイル通信」または「モバイルデータ通信」をタップ
  3. モバイル通信プランを追加」をタップ
  4. 画面の下部にある「詳細情報を手動で入力」をタップ

通信事業者によっては専用アプリからアクティベートする方式もあります。届いた案内に従ってください。

設定は平常時に済ませておく。 災害が起きてから設定しようとしても、そのときネットワークがつながっていなければ開通作業自体ができません。

プランにラベルを付ける

2回線目を有効にしたら、どちらがどの回線か分かるようにラベルを付けておくことをApple公式も推奨しています。「メイン」「災害用」などにしておくと、切り替えのときに迷いません。

  1. 設定アプリを開く
  2. モバイル通信」または「モバイルデータ通信」をタップ
  3. ラベルを変更したい番号をタップ
  4. モバイル通信プランの名称」をタップし、新しいラベルを選択するかカスタムラベルを入力

モバイルデータ通信に使う回線を切り替える

ここが災害時に実際に使う操作です。iPhoneで一度に使えるモバイルデータ通信は1回線だけなので、メイン回線が不通になったら手動で切り替えます。

  1. 設定」を開く
  2. モバイル通信」または「モバイルデータ通信」をタップ
  3. モバイルデータ通信」をタップ
  4. モバイルデータ通信に使いたい番号をタップ

この4ステップを紙にメモして保管しておくことをおすすめします。災害時は慌てて操作を思い出せなかったり、調べるためのネットワークがそもそもつながらなかったりします。

「モバイルデータ通信の切替を許可」をどうするか

デュアルSIMで分かりにくいのがこの設定です。Apple公式の説明はこうです。

  • オンにすると:音声通話専用の番号で通話している間、その番号が自動的に音声とデータを使うように切り替わり、通話中も音声とデータの両方を使える
  • オフのままだと:モバイルデータ通信用に指定していない番号で通話中は、モバイルデータ通信が機能しない

また、オフの状態では、データ通信用に指定していない回線での通話中に、もう一方の回線への着信を受けられません(Wi-Fi通話が有効な場合を除く)。

災害時に「かかってきた電話に出られない」のは避けたいので、オンにしておくのが無難だと思います。ただし通話中にサブ回線側でデータ通信が発生する可能性があるため、povo2.0のように従量課金の回線を使う場合は、意図しない通信が起きないか気にする方もいるかもしれません。ご自身の運用に合わせて判断してください。

設定手順は次のとおりです。

  1. 設定」を開く
  2. モバイル通信」または「モバイルデータ通信」をタップ
  3. モバイルデータ通信」をタップ
  4. モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオンにする

災害用サブ回線として持つときの設定

普段使わない予備回線として持つなら、次の状態にしておくと事故が起きにくくなります。

  • モバイルデータ通信:メイン回線を指定
  • デフォルトの番号:メイン回線を指定
  • ラベル:「災害用」など分かる名前を付ける

こうしておけばサブ回線は待機状態のままになり、意図しない課金が発生しにくくなります。いざメイン回線が不通になったら、モバイルデータ通信の指定をサブ回線に切り替えます。

設定したあとに必ずテストする

契約と設定が終わったら、実際に使えるか一度確認してください。

  • サブ回線に切り替えてWebサイトが開けるか
  • サブ回線でSMSを受信できるか
  • ステータスバーに2回線分の電波表示が出ているか

「契約したが実は開通していなかった」という状態は、いざというときに気づいても手遅れです。

なお、povo2.0をサブ回線にする場合は180日ごとにトッピングを購入しないと利用停止になるルールがあります。詳しくはpovo2.0を災害用のサブ回線にする方法をご覧ください。テストを兼ねて定期的に通信してみるのは、維持のうえでも理にかなっています。

まとめ

  • iPhoneはXS/XR以降でデュアルSIM対応(eSIM2つ同時はiPhone 13以降
  • 別会社の2回線を使うにはSIMロックの解除が必要
  • 追加はQRコードのスキャンか「モバイル通信プランを追加」から
  • 切り替えは 設定 →「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」→ 使いたい番号をタップ
  • 設定は平常時に、切り替え手順はメモに残す

Androidをお使いの方はPixelでデュアルSIMを設定する手順をご覧ください。

そもそもサブ回線をeSIMで持つか、SIMカード(物理SIM)で持つかという選択もあります。eSIMは開通が速い一方、端末が壊れると取り出せず再発行に通信が必要です。比較は災害用のサブ回線はeSIMと物理SIM、どちらで持つ?にまとめました。

なお、テザリング(インターネット共有)で家族の端末をつなぐ場合、Apple公式は「モバイルデータ通信用に選択した回線が使用されます」としています。データ通信の回線を切り替えないと、テザリングの通信もメイン回線のままということです。手順と注意点は災害時に1本の回線を家族で分け合うにまとめました。


この記事の情報について:本記事はApple公式サポート「eSIMでデュアルSIMを活用する」「iPhoneでeSIMを設定する」(いずれも2026年3月公開)の記載をもとに、2026年7月18日時点で確認した内容です。設定メニューの名称や対応機種はiOSのバージョンアップにより変更される場合があります。実際の画面表示が異なる場合は、Apple公式サポートで最新の手順をご確認ください。