mineo(マイネオ)は、ドコモ・au・ソフトバンクの3つの回線網を扱っている格安SIM(MVNO)です。災害対策として見ると、ほかの格安SIMにはない「災害支援タンク」という仕組みがある一方で、JAPANローミングや110番のように契約タイプによって使える・使えないが分かれる項目もあります。
先に結論です。
- JAPANローミング:2026年4月1日から音声・SMSで対応。データ通信は利用できない
- 110番・119番:かけられるのはデュアルタイプ(音声通話+データ)だけ。シングルタイプ(データのみ)と「mineoでんわ」アプリでは発信できない
- 災害支援タンク:災害救助法の適用などがあった地域の契約者が、残容量1,000MB以下のときに合計10GBまでパケットを引き出せる。使うにはマイネ王とeoIDの連携が必要
- 緊急速報:受信できるかは端末と情報の種類しだい。mineoは端末ごとの受信可否一覧を公開している
- mineoならでは:プランにかかわらず同一名義で最大10回線まで契約でき、メインとサブで回線網を分ける持ち方ができる
それぞれ、mineo公式の情報をもとに順に見ていきます。
この記事は特定のプランをすすめるものではありません。契約前に必ずmineoの公式サイトで最新の条件をご確認ください。
先に一覧で#
| 災害時の機能 | mineoでの扱い |
|---|---|
| JAPANローミング | 音声・SMSで対応(2026年4月1日から) |
| ローミング中のデータ通信 | 利用できない |
| 110番・119番 | デュアルタイプは発信できる。シングルタイプ・mineoでんわアプリは不可 |
| 緊急速報・Jアラート | 端末と情報の種類しだい(端末別の一覧あり) |
| 災害時のデータ支援 | 災害支援タンク(合計10GBまで)。災害によってはパケット付与なども |
| スマホと衛星の直接通信 | mineo公式の案内は確認できず(後述) |
| 回線網 | Aプラン(au)・Dプラン(ドコモ)・Sプラン(ソフトバンク)から選択 |
① JAPANローミング:音声とSMSは対応、データは使えない#
JAPANローミングは、契約している携帯会社のネットワークが災害などで使えなくなったとき、他社の設備に切り替えて通信を続けられるようにする仕組みです。制度全体と、令和8年熊本地震で実際に提供されたときの内容はJAPANローミングは実際に発動したにまとめました。
mineoは「JAPANローミング(TM)対応について」というお知らせ(2026年3月25日掲載、Aプラン・Dプラン・Sプランが対象)で、2026年4月1日から音声・SMSについてJAPANローミングに対応すると案内しています。同じお知らせの中で、データ通信については利用できないと明記されています。
つまり、mineoの回線網が止まって他社の設備を借りている間は、電話とSMSは使えても、LINE・メール・地図アプリなどのデータ通信は使えない前提で考える必要があります。
端末とOSの準備#
JAPANローミングは端末側の対応も必要です。たとえばIIJmioは、対応状況はOSやソフトウェアのバージョンによって異なると案内しています。対応状況の確認方法と、ネットワークを手動で選ぶ場合の戻し方はJAPANローミングの記事で整理しています。平常時にできる準備は、OSの更新を後回しにしないことです。
② 110番・119番は「デュアルタイプ」ならかけられる#
mineoのよくあるご質問(管理番号4000030)では、デュアルタイプ(データ通信+音声通話)を利用している場合は、110番(警察)・118番(海上保安本部)・119番(消防・救急)に発信できると案内しています。
一方で、シングルタイプや「mineoでんわ」アプリでは発信できないと明記されています。
災害用のサブ回線を「安いからシングルタイプで」と考えている場合、ここが大きな分かれ目になります。データ専用SIMと通話アプリの組み合わせで起きる落とし穴は格安SIMで110番・119番はかけられる?で詳しく整理しています。
③ 災害支援タンク:mineoならではのデータ支援#
mineoには、ユーザー同士で余ったパケットを貯めて分け合う「フリータンク」という仕組みがあります。これを災害時向けに拡張したのが「災害支援タンク」です。
マイネ王(mineoのコミュニティサイト)の「災害支援タンク」ページでは、条件が次のように案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用対象者 | mineoの契約住所が、災害救助法の適用または特別警報の発令があった市町村にある人。または、その市区町村でGPSを利用した人 |
| 利用条件 | 残容量が1,000MB以下のときに引き出せる |
| 利用可能期間 | 災害救助法の適用または特別警報の発令の日から2週間(災害規模によっては延長する場合あり) |
| 1日の利用容量 | 2GBまで |
| 合計の利用容量 | 10GBまで |
| 必要な準備 | マイネ王へのログインまたはメンバー登録(無料)と、mineo月額サービスで契約中のeoIDとの連携 |
同じページには、契約の申し込み承諾日が災害発生後の場合は、被災した住所でも対象外になるとも書かれています。
実際の開放例:令和8年7月の熊本の地震#
mineoは「令和8年7月28日熊本県熊本地方で発生した地震」で、震度6以上の地域と災害救助法が適用された地域の契約者に災害支援タンクを開放しました(mineoユーザーサポートのお知らせ、2026年7月28日掲載・7月29日更新)。
マイネ王のスタッフブログ(2026年7月28日掲載・8月12日更新)では、このときの支援として次の内容が案内されています。
- 災害支援タンクの開放(引き出し期間は8月31日まで延長)
- マイピタ契約者に2GBのパケットを付与
- マイそく契約者に24時間データ使い放題の無料チケットを付与
パケットの付与などは災害ごとに内容が決まるため、毎回同じ支援があるとは限りません。マイネ王の災害支援タンクページには開放履歴が載っており、2026年9月にも台風や大雨に伴う開放が記録されています。
いまのうちにやっておくこと#
災害支援タンクは、被災してからでは準備が間に合わないことがあります。通信が不安定な状況で、マイネ王のメンバー登録やeoIDの連携をするのは負担が大きいためです。
- マイネ王にメンバー登録し、eoIDと連携しておく
- 契約住所が現住所になっているか確認する(対象の判定に使われる)
大手キャリアとMVNOで災害時の支援の中身がどう違うかは、災害救助法が適用されると、通信各社は何をしてくれる?で比較しています。
④ 緊急速報・Jアラートは「端末と情報の種類しだい」#
mineoユーザーサポートの「緊急情報の受信可否一覧について」では、緊急地震速報やJアラートなどの緊急情報は、情報の種類や利用する端末によって受信できるかが異なると説明しています。ページには、mineoで販売された端末ごとに「緊急地震速報(地震・津波)」「Jアラート」「自治体防災情報」の受信可否が一覧で載っています。
受信するための条件として挙げられているのは次の2つです(端末が緊急速報対応機種であることが前提)。
- 端末の電源がONになっていて、電波を受信できる状態であること
- 端末の設定、またはアプリの設定で緊急速報の受信設定をしていること
受信できない端末を使っている場合、mineoは「Yahoo!防災速報」アプリの利用をすすめています。
mineoで買った端末以外(SIMフリー端末や他社で買った端末)は一覧に載っていないため、自分の端末の設定画面に緊急速報の項目があるかを確認しておくのが確実です。受信の仕組みと格安SIMでの条件は格安SIMでも緊急速報メール(緊急地震速報)は受信できる?とJアラート(ミサイル情報)は格安SIMのスマホにも届く?にまとめています。
⑤ 災害用伝言板は「web171」と「171」を軸にする#
mineoは独自の災害用伝言板を持っていません。大手キャリアの災害用伝言板は、MVNOの電話番号では登録できないことがあります(携帯4社の災害用伝言板の使い方)。
契約先を問わず使えるのが、NTT東西の災害用伝言板(web171)と災害用伝言ダイヤル(171)です。使い方は災害用伝言ダイヤル(171)の使い方にまとめています。mineoを使っている家族がいる場合は、「困ったらweb171と171」と決めておくのが分かりやすい運用です。家族で決めておきたいことは家族の安否確認ルールの決め方で整理しています。
⑥ 衛星通信:mineoとしての案内は見当たらない#
ドコモは2026年4月27日から「docomo Starlink Direct」を、auは「au Starlink Direct」を提供しています。しかし、mineoのDプラン・Aプランの契約者がこれらの対象になるかは、mineoの公式サイトで案内を確認できませんでした。
そのため、mineoの回線だけで「圏外でも衛星でつながる」と考えるのは避けたほうが安全です。現時点で確認できる選択肢は次のとおりです。
- iPhone 14以降の「衛星経由の緊急SOS」:Appleの機能で、携帯会社の契約とは別に動きます。詳しくはiPhoneの衛星機能は格安SIMでも使える?
- 他社回線の利用者向けに提供されている衛星サービスを別に契約する:格安SIMユーザーの現実的な経路はLINEの衛星モードは格安SIMで使える?で整理しています
⑦ mineoならでは:3つの回線網から選べ、同一名義で10回線まで持てる#
災害対策の観点で、mineoのいちばんの特徴はここです。
mineoでは、契約ごとに回線網を選べます。
| プラン | 回線網 |
|---|---|
| Aプラン | au |
| Dプラン | ドコモ |
| Sプラン | ソフトバンク |
そして、mineoのよくあるご質問(管理番号4000075)では、利用プランにかかわらず、同一名義・同一住所で最大10回線まで契約できると案内されています。
これを使うと、mineoの中で「メインはDプラン(ドコモ網)、サブはAプラン(au網)」のように、回線網を分けて持つことができます。片方の回線網で大規模な障害が起きても、もう片方が残る可能性があります。サブ回線を別の回線網で持つ考え方は格安SIMの「回線元」一覧で詳しく解説しています。
mineoの複数回線割引では、同一eoIDの回線は各回線の基本料金から55円が割り引かれます(最大10回線)。ただし、マイそく スーパーライトは対象外です。
サブ回線向けの最安コースは「音声つき」#
mineoの料金表(税込)では、速度で選ぶ「マイそく」のスーパーライト(最大32kbps)が月額250円です。料金表のシングルタイプ(データのみ)の欄は「-」になっており、スーパーライトはデュアルタイプ(音声通話+データ)での提供です。
デュアルタイプなので、前述の110番・119番の発信と、JAPANローミングの音声・SMSの両方の条件に当てはまります。災害時にだけ速度を上げたい場合は、24時間データ使い放題(198円/回)を使う方法があります。
ただし、スーパーライトは新規申し込み時にしか選べず、他のコースからの変更もできません。32kbpsでできることと、他社の最安プランとの比較は災害用サブ回線は月いくらで維持できる?にまとめています。
プランを後から変える場合#
mineoのよくあるご質問(管理番号4211460、2026年10月1日更新)では、Aプラン・Dプラン・Sプランの間のプラン変更にかかる費用は次のとおりです。
| SIMの種類 | 費用(税込) |
|---|---|
| SIMカード | 変更事務手数料3,850円+SIMカード発行料440円 |
| eSIM | 変更事務手数料3,850円(eSIMプロファイル発行料は無料) |
AプランのnanoSIMまたはmicroSIMを使っている場合は、費用はかからないとされています。
⑧ 災害時に知っておきたい料金まわりの仕様#
データ容量が尽きたときに関わる仕様です(mineo料金表より)。
- マイピタ:容量を使い切ったあとも最大200kbpsで通信できる
- パケットチャージ:55円/100MBで追加できる
- 混雑回避のための速度制限:3日間で10GB以上使ったときに制限がある
- マイそく:月曜〜金曜の12時台は最大32kbps(プレミアムのみ最大200kbps)。音声通話は制限中も使える
最大200kbpsや32kbpsで何ができるか、容量を長持ちさせる設定は災害時にデータ容量が尽きたら?にまとめています。
mineoには店舗もありますが、店舗でできる手続きは店舗ごとに異なります。災害時に手続きがオンライン中心になる場合の備え方はpovo・ahamo・LINEMOは災害時に「店に駆け込む」ができないで、紛失したときに回線を止める手順は災害でスマホをなくしたら、まず回線を止めるで整理しています。予備の端末にSIMを差し替えたときに必要になるAPN設定は格安SIMの「APN設定」を災害前に控えておくをご覧ください。
今日できるチェックリスト#
- 自分のmineoがデュアルタイプかシングルタイプかをマイページで確認する(シングルタイプは110番不可)
- 自分のプランがAプラン・Dプラン・Sプランのどれかを確認する(回線元がどこかを把握する)
- サブ回線を持つなら、メインと別の回線網になっているか確認する
- 端末のOSを最新にしておく(JAPANローミングの対応に関わる)
- マイネ王にメンバー登録し、eoIDと連携しておく(災害支援タンクの利用に必要)
- 契約住所が現住所になっているか確認する(災害支援タンクの判定に使われる)
- 緊急速報の受信設定がオンか確認する。受信できない端末なら防災アプリを入れておく
- 家族の安否確認は「web171と171」と決めておく
まとめ#
mineoは2026年4月からJAPANローミングに対応しましたが、対象は音声・SMSで、データ通信は使えません。110番・119番をかけられるのはデュアルタイプだけで、緊急速報の受信は端末しだいです。
一方で、災害支援タンクと、ドコモ・au・ソフトバンクの3回線網から選べる点は、mineoならではの備えになります。災害支援タンクはeoID連携と契約住所の確認を平常時に済ませておくこと、サブ回線は「回線網」と「タイプ(音声つきかどうか)」の両方で選ぶこと——これがmineoで備えるときの要点です。
同じく複数の回線網を扱うIIJmioの災害時の扱いはIIJmioは災害時に強い?に、ドコモ網だけを使う日本通信SIMは日本通信SIMは災害時に強い?に、サブ回線全体の考え方は災害用のサブ回線はeSIMと物理SIM、どちらで持つ?にまとめています。