災害用伝言板は「携帯会社が用意してくれているもの」と思われがちですが、格安SIMやサブブランドでは、自分の安否情報を登録できないことがあります

確認だけなら誰でもできるので、家族の状況を調べる分には困りません。困るのは、自分が被災側になったときです。

先に結論です。

  • 登録できるか/できないかは契約先で決まる(ahamo・LINEMO・ワイモバイルは可、povo・UQモバイルは不可)
  • 登録できない場合は、NTT東日本・西日本の**「災害用伝言板(web171)」に登録する**
  • web171に登録した情報は、ドコモ・au・ソフトバンクの伝言板から相互に検索できる(povo公式の説明)
  • 家族には「どこに登録するか」を平常時に共有しておく

順に見ていきます。

携帯4社の災害用伝言板を並べて比較する

まず、大手4社の伝言板の条件です。いずれも公式ページの記載にもとづきます。

事業者開設条件登録件数保存期間他社・PCからの確認
NTTドコモ震度6弱以上の地震など大きな災害が発生した場合のみ開設1携帯電話番号あたり10件1つの災害でのサービスを終了するまで可(ドコモ以外の携帯電話・パソコンからも確認できる)
au震度6弱以上の地震などの大規模災害時10件/1電話番号1つの災害でサービスを終了するまで可(どなたでも利用できる)
ソフトバンク震度6弱以上の地震など大規模な災害が発生した場合80件/1電話番号1災害における災害用伝言板終了時まで確認のみ可(他社からは登録・自動メール送信は不可)
楽天モバイル震度6弱以上の地震など、大きな災害が発生した場合1携帯電話番号あたり10件1つの災害でのサービスを終了するまで可(他社携帯電話・パソコン・タブレットから誰でも)

条件はおおむね揃っていますが、登録件数だけソフトバンク系が80件と大きく違います。10件だと、状況が変わるたびに更新していけば上限に達し、古いものから上書きされていきます。

いずれの社も「震度6弱以上の地震など」が目安で、常時使えるサービスではありません。この点は災害時の連絡手段まとめでも触れていますが、平常時にアクセスしても伝言板は開いていません(後述の体験利用日を除く)。

サブブランド・格安SIMは「登録できるか」が分かれる

ここが本題です。同じ回線を使っていても、契約先によって扱いが違います。

契約先自分の安否情報の登録根拠
ahamoできるahamo公式FAQ「ahamoで災害用伝言板をご利用いただけます」
ワイモバイルできるワイモバイル公式に伝言板サービスのページあり
LINEMOできるLINEMO公式に伝言板サービスのページあり(80件/1電話番号)
povo2.0できないpovo公式「povoご利用中のお客さまの安否情報登録は、NTT東日本 / 西日本が提供する『災害用伝言版(Web171)』をご利用ください」
UQモバイルできないUQ公式「UQ mobile / UQ WiMAXをご利用中のお客様の安否情報登録は、NTT東日本 / 西日本が提供する『災害用伝言版(Web171)』をご利用ください」
その他のMVNO(IIJmio・mineo等)契約先の案内を要確認

同じKDDI系でも、auは自社の伝言板、povoとUQモバイルはweb171、と案内が分かれている点は知っておく価値があります。「au回線だからauの伝言板が使えるはず」という推測は当たりません。

なお、確認(検索)はどの伝言板でも誰でもできます。格安SIMだから家族の安否を調べられない、ということはありません。制約があるのは「登録」の側だけです。

登録できないなら web171 を使う

NTT東日本・西日本が提供する「災害用伝言板(web171)」です。URLは https://www.web171.jp/ です。

NTT東日本の説明では、次のようになっています。

  • 提供条件:大規模地震・台風などの災害により、被災地の通信が著しく混雑し、通話ができない状況になった場合に速やかに利用可能になる
  • 登録できる電話番号:携帯電話・固定電話・IP電話など。ただし110番・119番などの特別番号、フリーダイヤルなどの特殊番号は対象外
  • 伝言蓄積数:最大20件
  • 保存期間:最大6ヶ月

携帯4社の伝言板(10件・災害終了まで)と比べると、件数も保存期間もweb171のほうが余裕があります

相互検索できるのが重要なポイント

povoの公式ページには、次のように書かれています。

「災害用伝言版(Web171)」はNTT docomo・au・SoftBankの各社が提供する「災害伝言板」と連携しており、いずれかに登録いただいた安否情報は相互に検索/確認いただけます

つまり、web171に登録しておけば、ドコモ・au・ソフトバンクの伝言板を見にいった家族にも見つけてもらえます。「自分だけ別のところに登録すると気づいてもらえないのでは」という心配は要りません。UQモバイルの公式ページにも同じ趣旨の記載があります。

格安SIMユーザーにとっては、これが実質的な標準ルートになります。

体験利用日に一度は触っておく

伝言板はいざというときにしか開きません。使い方を災害時に調べるのは現実的ではないので、体験利用日を使います。

NTT東日本のweb171体験利用の案内では、次の日程です。

期間時間
毎月1日、15日00:00〜24:00
正月三が日1月1日00:00〜1月3日24:00
防災週間8月30日9:00〜9月5日17:00
防災とボランティア週間1月15日9:00〜1月21日17:00

携帯4社の伝言板も、おおむね同様の日程で体験サービスを提供しています(au・楽天モバイルの公式ページに毎月1日・15日、正月三が日、防災週間、防災とボランティア週間との記載があります)。

次の防災週間は8月30日からです。毎月1日・15日でもよいので、家族で一度登録・確認をやってみると、当日の迷いが減ります。

体験利用で確認しておきたいのは次の3つです。

  • 自分の電話番号で登録できるか(できなければweb171へ)
  • 家族が自分の番号で検索して見つけられるか
  • 入力にどれくらい時間がかかるか(回線が細いときを想定)

家族で決めておく3つのこと

伝言板は仕組みより運用のほうが失敗しやすいところです。

① 登録先を1つに決める

各自がバラバラの伝言板に登録しても相互検索でカバーできますが、「困ったらweb171」と統一しておくほうが確実です。特に家族に格安SIMユーザーがいる場合は、全員web171に揃えるのが分かりやすいと思います。

② 検索キーは電話番号だと共有しておく

伝言板はすべて電話番号をキーにします。家族の携帯番号を、スマホが使えない状況でも参照できる形(紙のメモ、財布に入れたカード)で持っておいてください。スマホの連絡先だけに入っていると、端末が使えないときに詰みます。

③ 「何を書くか」をあらかじめ決める

伝言は短いほうが確実に伝わります。「無事・場所・次の連絡予定」の3点で十分です。文面を考える時間も、通信も節約できます。

伝言板が使えない状況も想定しておく

伝言板は、そもそもインターネットにつながらないと登録も確認もできません。ソフトバンクの伝言板はWi-Fi環境でも利用できると明記されていますが、回線が全滅していればどのみち手が出ません。

だからこそ、伝言板は「備えのひとつ」であって全部ではありません。回線をもう1本持っておく考え方はpovo2.0を災害用のサブ回線にするに、端末側の設定はiPhoneでデュアルSIM(eSIM)を設定する手順PixelでデュアルSIMを設定する手順にまとめています。

スマホ自体が使えないときは、公衆電話から災害用伝言ダイヤル(171)を使う手もあります。171は契約先を問わず申し込み不要で使え、web171と相互に連携しています。操作手順と制約は災害用伝言ダイヤル(171)の使い方、停電時の公衆電話の可否は災害時の公衆電話の使い方にまとめました。

つながらないのが障害なのか端末側なのかを切り分ける手順は通信障害かも?と思ったらまず確認すること、電源の確保は災害用モバイルバッテリーの容量はどう選ぶ?を参照してください。使っていない端末を予備に回す方法は古いスマホを災害用の予備端末にするで解説しています。

まとめ

  • 携帯4社の災害用伝言板は震度6弱以上の地震などで開設され、登録件数はドコモ・au・楽天が10件、ソフトバンク系が80件
  • 確認は誰でもできるが、登録は契約先次第。ahamo・LINEMO・ワイモバイルは可、povo・UQモバイルは公式にweb171を案内
  • web171に登録すれば大手3社の伝言板から相互に検索できるので、格安SIMユーザーはweb171を軸にすればよい
  • 体験利用日(毎月1日・15日ほか、次の防災週間は8月30日から)に一度触っておく

格安SIMは「災害時に不利」と言われがちですが、伝言板に関しては登録先を1つ知っておくだけで埋まる差です。

その「登録先を1つ」を家族全員で共有するところまでが、実際には必要です。キーにする電話番号の決め方を含め、事前に決めておくことは家族の安否確認ルールの決め方に整理しました。


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