楽天モバイルは、ドコモ・au・ソフトバンクに続く4つ目の携帯電話事業者です。データ無制限でも月額3,278円(税込)に収まる料金で、メイン回線にもサブ回線にも選ばれています。

では、災害時の機能はどこまで使えるのでしょうか。衛星通信・災害用伝言板・緊急速報メール・他社回線への切り替えの4点を、楽天モバイル公式サイトで確認できた範囲で整理します。他社と違うところとできないこともあわせて書きます。

この記事は特定の事業者をすすめるものではありません。契約前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

先に結論#

災害時の機能楽天モバイルでの扱い
楽天モバイル独自の衛星通信まだ始まっていない(2026年第4四半期の提供開始を目指すと発表)
Appleの衛星経由メッセージiPhone 14以降で対応済み(2026年3月26日発表)
災害用伝言板利用できる(無料)。登録は1番号あたり10件まで
緊急速報メール対応機種なら受信できる(無料)。ただし楽天回線エリアの「災害・避難情報」は一部地域のみ
JAPANローミング2026年4月1日から提供(無料)
au回線のローミング(パートナー回線)楽天が十分カバーできているエリアでは縮小する方針

大手3社のブランドと比べると、衛星通信は「Appleの機能に乗る」形でしか使えないこと、緊急速報メールの一部に地域の制限があることが大きな違いです。

1. 衛星通信:独自サービスはまだ、iPhoneならAppleの機能が使える#

楽天モバイル独自の衛星サービスは開始前#

楽天モバイルは、米AST SpaceMobile社と組んだ「Rakuten最強衛星サービス」を2026年第4四半期(10〜12月)に提供開始することを目指すと発表しています。ただ、2026年9月28日時点の公式プレスリリース一覧では、開始日・料金・対応機種を確定させる発表は見当たりませんでした。

開始前のサービスを当てにした備えはおすすめできません。公表内容とまだ決まっていないことは楽天モバイルの衛星サービス(AST SpaceMobile)はどうなる?で整理しています。

iPhone 14以降なら、衛星経由のSMSに対応済み#

一方で、楽天モバイルは2026年3月26日のプレスリリースで、iPhone 14以降の各種iPhoneとApple Watch Ultra 3で、Appleが提供する衛星経由のメッセージングサービスに対応したと発表しています。

発表の内容を整理すると、次のとおりです。

項目内容
使える機能衛星経由の「iMessage」と「SMS」。あわせて衛星経由の「緊急SOS」「探す」
対象iPhone 14以降の各種iPhone、Apple Watch Ultra 3
料金Appleの衛星通信機能はアクティベーションから2年間無料。衛星経由の「SMS」は通常のSMS送信料金が適用されるが、当面の間は無料
衛星接続の提供者Globalstarおよびその関連会社

「緊急SOS」は、モバイル通信が使えない環境でも、中継センターを経由してAppleのスタッフとテキストでやり取りし、必要に応じて緊急サービスへ連絡してもらう仕組みです。電話で110番・119番をかける機能ではない点に注意してください。

AndroidはこのAppleの機能の対象外です。楽天モバイルでAndroidを使っている場合、2026年9月時点で衛星経由の手段はないと考えておくのが安全です。Appleの衛星機能の条件(必要なiOSのバージョン、無料期間など)はiPhoneの衛星機能は格安SIMでも使える?にまとめています。

2. 災害用伝言板は使える。ただし登録は10件まで#

楽天モバイルの災害用伝言板は無料です。公式ページの仕様は次のとおりです。

項目内容
提供される条件震度6弱以上の地震など、大きな災害が発生した場合
登録できる状態「無事です」「被害があります」「自宅にいます」「避難所にいます」(複数選択可、英語版もあり)
コメント全角100文字以内(半角200文字以内)
登録件数1携帯電話番号あたり10件(超えると古いものから上書き)
保存期間1つの災害でのサービスを終了するまで
確認できる人他社の携帯電話やパソコン、タブレットからも、インターネットでどなたでも

登録件数は、たとえばワイモバイルの伝言板(1電話番号あたり80件)と比べて少なめです。避難中に何度も状況を書き足すと、古い伝言から消えていきます。家族に「最初の書き込みで何を伝えるか」を決めておくと、件数を無駄にしません。

データ通信量については、公式FAQに「楽天モバイルの電波で災害用伝言板を利用する際に発生するデータ通信は、データ利用量にカウントされません」とあります。ただし、他社の災害用伝言板にアクセスした場合や、海外で使った場合はカウントされるとされています。

体験サービスで一度試しておく#

楽天モバイルは、次の期間に伝言板の体験サービスを提供しています。

  • 毎月1日・15日(0:00〜24:00)
  • 正月三が日(1月1日12:00〜1月3日24:00)
  • 防災週間(8月30日〜9月5日)
  • 防災とボランティア週間(1月15日〜1月21日)

体験サービスの終了時には、すべての伝言が削除されます。次の1日か15日に一度登録してみると、本番で手が止まりにくくなります。

なお、楽天モバイルの「災害時安否確認・登録」ページでは、自社の伝言板とは別に、GoogleパーソンファインダーとNTTの災害用伝言板(web171)への入口も案内されています。各社の伝言板の違いは携帯4社の災害用伝言板の使い方、名前で探す方法は名前で安否を探す方法で整理しています。

3. 緊急速報メール:「災害・避難情報」は楽天回線エリアでは一部地域のみ#

楽天モバイルの緊急速報メールは無料で、公式ページでは次の情報が配信対象とされています。

  • 緊急地震速報・津波警報(気象庁)
  • 災害・避難情報(国や地方公共団体。高齢者等避難や避難指示、各種警報など)
  • 洪水情報(国土交通省の指定河川洪水予報)
  • 国民保護に関する情報(J-Alert)
  • 電力需給ひっ迫情報

ここで見落としやすい注記があります。公式ページの「災害・避難情報」の欄に、「楽天回線エリアでは、一部地域のみ配信に対応しています」と書かれていることです。配信できる地方公共団体の一覧はPDFで公開されています。

つまり、緊急地震速報や津波警報は届いても、住んでいる自治体の避難指示が、楽天回線では緊急速報メールとして届かない場合があるということです。自治体の防災メールや防災アプリなど、緊急速報メール以外の受け取り方を1つ用意しておくことをおすすめします。

そのほか、公式ページの注意事項で挙げられているのは次の点です。

  • 受け取るには、利用している製品がETWS(緊急地震速報・津波警報の受信などの機能)に対応している必要がある
  • iPhoneはキャリア設定アップデートが必要(iOS 14.4以下でキャリア設定をしていない場合は利用できない)
  • 電源を切っているとき、通話中・パケット通信中、電波の届かない場所では受信できない場合がある
  • 受信できなかった緊急速報メールの再受信はできない
  • パートナー回線エリアやその境界付近では、同じ内容の通知が複数回届く場合がある

端末による違いの考え方は格安SIMでも緊急速報メールは受信できる?、大雨の特別警報の扱いは大雨の特別警報はスマホに鳴らないことがあるで説明しています。

4. 楽天回線が止まったとき:JAPANローミングは2026年4月から#

楽天モバイルは、2026年4月1日からJAPANローミングを提供しています。災害や大規模な通信障害で楽天モバイルのネットワークが使えなくなったとき、他の携帯電話事業者のネットワークを一時的に使えるようにする仕組みで、料金は無料です。

公式ページによると、提供される方式は2種類です。

方式使える機能
フルローミング方式緊急通報、音声通話、SMS、データ通信(最大300kbps)
緊急通報のみ方式110番・119番・118番の緊急通報のみ(折り返しの電話は着信できない)

どちらの方式になるかは、災害や障害の規模に応じて判断されます。また、平常時や小規模な通信障害では提供しないこと、提供が決まっても受け入れ準備に時間がかかる場合があることも明記されています。公式ページ自身が、固定電話・公衆電話・00000JAPANなど他の代替手段もあわせて使うよう案内しています。

対応製品であることに加えて、OSやソフトウェアが最新でないと使えない場合があるとされています。平常時にアップデートを済ませておきましょう。JAPANローミングが実際に発動したときの提供内容はJAPANローミングは実際に発動したで整理しています。

5. au回線のローミング(パートナー回線)は縮小の方針#

楽天モバイルの通信エリアには、自社の「楽天回線エリア」と、au回線によるローミングで通信する「パートナー回線エリア」があります。災害とは直接関係しないように見えますが、山間部や地方で楽天モバイルを使っている人には関係があります。

楽天モバイルは2026年8月12日の発表「ローミングに関して」で、KDDIとは詰めの協議中としたうえで、次の方針を示しています。

  • 楽天モバイルがカバーに時間を要するエリアでは、ローミングは10月以降も継続する
  • 楽天モバイルが十分カバーできているエリアでは、ローミングを縮小していく

どの地域がいつ変わるかは、この発表では示されていません。通信エリアのページには「ローミングサービスの提供エリアの変更が決まり次第、順次更新します」とあります。よく行く実家・職場・山や海の周辺で、いまつながっているのが楽天回線かパートナー回線かを、エリアマップで一度確認しておくと安心です。

公式ページには、楽天回線エリアとパートナー回線エリアの境界付近では通信・通話が切断されたり、一時的に使えなくなったりする場合があるとも書かれています。山・地方で圏外になりやすい理由と確認方法は山・地方で圏外になりやすいのはなぜ?にまとめています。

6. Rakuten Linkを使っていても、110番・119番は標準の電話アプリから#

楽天モバイルの通話かけ放題は、Rakuten Linkアプリの利用が条件です(アプリを使わない場合は30秒22円)。災害時に気になるのは緊急通報ですが、公式FAQによると、Rakuten Linkで110番・119番・118番・171(災害用伝言ダイヤル)などにかけようとした場合は、標準の電話アプリに切り替えて発信されます。

また、楽天モバイルは過去に、一部のiPhoneで物理SIMとeSIMを併用し、データ専用SIMを「モバイルデータ通信」用に設定していると110番・118番・119番に発信できない事象を案内していました。この件はiOS 15.2で解消されたとされていますが、デュアルSIMで使うときはOSを最新にしておくことが前提になります。考え方は格安SIMで110番・119番はかけられる?で詳しく説明しています。

災害用伝言ダイヤル(171)そのものの使い方は災害用伝言ダイヤル(171)の使い方をご覧ください。

料金と、サブ回線としての位置づけ#

Rakuten最強プランの月額料金(税込)は、使ったデータ量で自動的に決まります。

月のデータ利用量月額料金(税込)
〜3GB1,078円
3GB超〜20GB2,178円
20GB超〜無制限3,278円

データ容量の上限がないので、月末の災害で容量が尽きて低速になる心配は、他社の容量制プランより小さいといえます。ただし公式ページには「混雑時など公平なサービス提供のため速度制御する場合あり」とあり、災害時の回線混雑で遅くなる可能性はあります。

楽天モバイルは、ドコモ・au・ソフトバンクのどれとも別の自社回線を持つ事業者です。メイン回線が大手3社のどれかなら、サブ回線として回線網を分けられます。ただし前述のとおり、パートナー回線エリアではau回線を使うため、メインがau・UQ mobile・povoの場合、その地域では回線の分散にならない点に注意してください。

回線の組み合わせ方は格安SIMの「回線元」一覧、他社と維持費を比べたい場合は災害用サブ回線は月いくらで維持できる?にまとめています。

他社のブランドと比べると#

衛星通信の扱いを、ほかの記事で確認した内容と並べると次のとおりです(各記事の確認時点の情報)。

事業者・ブランド衛星通信
楽天モバイル独自サービスは開始前。iPhone 14以降はAppleの衛星経由SMSに対応
ahamo追加料金なし・申し込み不要(ahamoは災害時に強い?)
ワイモバイル シンプル系追加料金なし・申し込み不要(ワイモバイルは災害時に強い?)
LINEMO ベストプラン系オプション申し込みは必要だが実質0円(LINEMOの衛星通信が実質無料に)
UQ mobile別途「au Starlink Direct専用プラン+」に加入(UQ mobileは災害時に強い?)

今日やること#

  • 自分のスマホがiPhone 14以降かを確認する(Androidなら、衛星以外の連絡手段を厚めに用意する)
  • OSを最新にし、iPhoneは「設定」→「一般」→「情報」でキャリア設定アップデートが出ないか確認する
  • 緊急速報メールがオンになっているか確認する
  • 住んでいる自治体の防災メール・防災アプリに登録しておく(楽天回線エリアの「災害・避難情報」対策)
  • 次の1日か15日に、災害用伝言板の体験サービスで登録を試す
  • 自宅・実家・よく行く場所が楽天回線エリアかパートナー回線エリアかをエリアマップで確認する

まとめ#

  • 楽天モバイル独自の衛星サービスは2026年第4四半期の開始を目指す段階で、まだ使えない
  • iPhone 14以降なら、Appleの衛星経由SMS・iMessage・緊急SOS・探すに対応済み。Androidは対象外
  • 災害用伝言板は無料。登録は1番号あたり10件までで、楽天の電波での利用はデータ量にカウントされない
  • 緊急速報メールは無料だが、楽天回線エリアの「災害・避難情報」は一部地域のみ配信対応
  • JAPANローミングは2026年4月1日から提供。平常時や小規模障害では発動しない
  • au回線のローミングは、楽天が十分カバーできているエリアから縮小する方針

回線の選択に加えて、災害時の連絡手段まとめにある手段を組み合わせておくと、どれか1つが使えなくても連絡の道が残ります。