圏外でもメッセージが送れる衛星通信。LINEMOでは2026年7月1日から月額1,650円のオプション契約が必要になり、それまで無料で使えていた人にとっては実質的な値上げでした。

これが2026年9月1日から変わりました。ソフトバンクの発表により、LINEMOの対象プランでは定額料が全額割引され、実質無料で使えるようになっています。

ただし、そのまま放っておいて使えるようになるわけではありません。先に結論です。

  • LINEMOベストプラン/ベストプランVは、2026年9月1日から定額料1,650円が全額割引(実質0円)
  • ただし当面はオプションの申し込み手続きが必要。申し込まなければ衛星通信は使えない
  • 申し込み不要になるのは2026年冬(予定)から。以降は対象プランの基本使用料に含まれる
  • スマホプラン・ミニプランは対象外。使うには月額1,650円のまま

「無料になった」というニュースだけを見て何もしないと、いざというときに使えません。ここが今回いちばん伝えたい点です。

何が発表されたのか#

ソフトバンクは2026年8月7日、LINEMOのサービスを拡充すると発表しました。内容は2つで、ひとつが「SoftBank Starlink Direct」、もうひとつが海外データ通信です。

対象は次の2プランです。

プランデータ容量月額料金(税込)
LINEMOベストプラン0〜10GB990〜2,090円
LINEMOベストプランV30GB2,970円

スマートフォンプラン・ミニプランは対象外です。旧プランを使い続けている方は、今回の割引の恩恵を受けられません。

2段階で変わります#

ここが少しややこしいところです。公式発表では、2段階で扱いが変わることになっています。

第1段階:2026年9月1日〜2026年冬(予定)#

オプションサービスに申し込むことで利用可能になり、定額料1,650円(税込)が全額割引されます。

つまり、支払う金額は0円ですが、申し込みという手続きは残ります。

第2段階:2026年冬(予定)以降#

申し込み不要・追加料金なしで利用できるようになります。公式発表では「本サービスの料金は、対象料金プランの基本使用料に含まれ、本サービスに関してお客さまに別途請求することはありません」とされています。

一覧で整理すると#

時期申し込み支払う金額
〜2026年6月30日不要0円
2026年7月1日〜8月31日必要月1,650円
2026年9月1日〜2026年冬(予定)必要0円(全額割引)
2026年冬(予定)以降不要0円(基本使用料に含まれる)

いま行動が必要なのは、第1段階にいる今このタイミングです。 冬まで待てば自動的に使えるようになりますが、それまでのあいだに災害や遭難が起きないという保証はありません。

端末側の条件も確認しておく#

料金の条件を満たしても、端末が対応していなければ使えません。LINEMOの公式サイトに記載されている条件は次のとおりです。

  • iPhone:iOS 26.4以上
  • Android:Android 15以上

OSのバージョンが古い場合は、平常時のうちにアップデートを済ませておく必要があります。圏外でアップデートはできません。

対応機種そのものも限られます。ソフトバンクの公式サイトによると、対応するのはiPhone 13以降、Google Pixel、Galaxyなどの一部機種です。申し込む前に、公式の対応機種一覧で自分の端末を確認してください。

衛星通信でできること・できないこと#

割引になったからといって、何でもできるわけではありません。使える機能はかなり絞られています。

できることできないこと
テキストメッセージの送受信音声通話
位置情報の共有110番・119番への緊急通報
緊急速報メールの受信画像・動画の送受信

ソフトバンクの公式ページには「通話および緊急通報は利用不可」と明記されています。「衛星があるから110番できる」という理解は誤りです。 ここは繰り返し確認しておく価値があります。

また、利用できるのは日本国内の屋外で、地上のネットワークが届かない場所に限られます。建物の中や樹木が密集した場所では使えず、空が開けて見えている必要があります。

なお、auでは2026年5月から、対応アプリ経由でメッセージによる救助要請ができる「au Starlink Direct SOS」が始まっています。ソフトバンク系にはこれに相当する仕組みは案内されていません。詳しくはau Starlink Direct SOSとはをご覧ください。

海外データ通信も追加料金なしに#

今回の発表にはもうひとつ、海外データ通信の拡充も含まれています。

公式発表によると、200以上の国・地域でデータ通信を無制限で利用でき、利用日数に応じて1日間〜31日間のプランから選べます。ベストプラン・ベストプランVでは、2026年冬(予定)以降、毎月最大7日間分が追加料金なしになります。

2026年9月1日〜冬(予定)のあいだは、1〜7日間プランが割引対象で、8日間以上は割引対象外とされています。

海外での通信手段の選び方そのものは海外でスマホを使う3つの手段にまとめています。

なお、これとは別に衛星通信(SoftBank Starlink Direct)そのものも2026年9月28日から海外で使えるようになりました。ソフトバンクの2026年9月10日付の発表では、LINEMOベストプラン/ベストプランVは追加料金なしの対象で、利用には「世界対応ケータイ」への加入が必要、iPhoneはiOS 27.0以上とされています。対象国と他社との違いはスマホの衛星通信は海外でも使える?3社の対応国と条件にまとめました。

他社と比べてどうか#

衛星通信の月額を各社で並べると、次のようになります(2026年9月1日時点)。

回線衛星通信の使い方追加料金
ドコモ(ahamoを含む全プラン)そのまま使える無料
ソフトバンクそのまま使える無料
ワイモバイル シンプル系そのまま使える無料
LINEMO ベストプラン/ベストプランVオプション申し込みが必要(冬から不要の予定)実質0円
LINEMO スマホプラン/ミニプランオプション申し込みが必要月1,650円
auそのまま使える無料
UQ mobile(コミコミプランバリュー/トクトクプラン2)専用プラン+に加入0円
povo2.0・その他の格安SIM専用プラン+に加入3カ月0円→月1,650円

こうして並べると、LINEMOは「大手キャリアの格安プランで衛星通信が無料になる」グループに戻ったことになります。ahamoも無料なので、ドコモ系・ソフトバンク系の格安プランはどちらも衛星通信が使える状態です。

一方、povo2.0を含む格安SIMは月1,650円(3カ月無料のあと)と差があります。衛星通信を重視するなら、この差は年間で約2万円になります。各社の状況はLINEの衛星モードは格安SIMで使える?に、ahamoの災害時の対応はahamoは災害時に強い?に、同じソフトバンク回線のワイモバイルはワイモバイルは災害時に強い?に整理しました。

今日やること#

LINEMOのベストプラン系をお使いなら、やることは1つだけです。

  • 「SoftBank Starlink Direct オプション」に申し込む(冬までは申し込みが必要)
  • 端末のOSバージョンを確認する(iOS 26.4以上/Android 15以上)
  • 対応機種一覧で自分の端末を確認する
  • スマホプラン・ミニプランを使っている場合は、今回の対象外であることを把握しておく

スマホプラン・ミニプランをお使いで衛星通信を使いたい場合は、月額1,650円を払うか、ベストプランへの変更を検討するかの判断になります。ただし衛星通信だけを理由にプランを変えるのは慎重に——料金プランそのものの条件が変わるためです。

衛星通信は「これさえあれば安心」というものではありません。そもそも衛星通信よりも、サブ回線や安否確認手段のほうが優先度は高いと思います。優先順位の整理は災害時の連絡手段まとめに、費用をかけずにできる備えは家族の安否確認ルールの決め方にまとめました。

衛星通信以外の災害時の機能(災害用伝言板・JAPANローミング・緊急速報メール)はLINEMOは災害時に強い?で整理しています。

まとめ#

  • LINEMOベストプラン・ベストプランVは、2026年9月1日から衛星通信の定額料1,650円が全額割引
  • ただし当面はオプションの申し込みが必要。放置していると使えない
  • 申し込み不要になるのは2026年冬(予定)から
  • スマホプラン・ミニプランは対象外(月1,650円のまま)
  • 端末条件はiOS 26.4以上/Android 15以上
  • 衛星通信では音声通話も110番・119番もできない点は変わらない

料金の条件が有利になったのは素直に良いニュースですが、「無料になった=自動で使える」ではないという一点だけ、押さえておいてください。