山や海で圏外になってもメッセージを送れる衛星通信(Starlink Direct)。これまでは日本国内向けのサービスでしたが、2026年8〜9月に、ドコモ・au・ソフトバンクの3社がそろって海外でも使えるようにしました。
ただし、使える国、料金、申し込みの要否、対応機種は会社ごとにかなり違います。先に結論です。
- 3社とも、米国・カナダなどで衛星経由のメッセージやデータ通信が使えるようになった
- 料金は3社とも基本的に追加料金なし(ワイモバイル・LINEMOの一部プランは月額1,650円のオプションが必要)
- ただし対応機種がまだ限られる。国内で使えている機種でも海外では対象外のことがある
- 海外でも音声通話と緊急通報はできない。日本の緊急速報メールも届かない
順に見ていきます。
3社の対応状況(2026年10月1日時点)#
| ドコモ | au | ソフトバンク | |
|---|---|---|---|
| 海外での開始 | 2026年9月1日 | 2026年3月4日(米国)から順次 | 2026年9月28日 |
| 対象国・地域 | 米国(本土・ハワイ・アラスカの一部・プエルトリコ)、フィリピン(全土)、カナダ(北緯58度以南) | 米国、カナダ、フィリピン、ニュージーランド、オーストラリア | 米国、カナダ、ニュージーランド(フィリピンは2026年秋の予定) |
| 料金 | 無料 | 当面無料(SMS送信料・データ利用料を含む) | ソフトバンクは追加料金なし(プランにより異なる。後述) |
| 申し込み | 不要 | 当面不要 | ソフトバンクは不要。ただし「世界対応ケータイ」への加入が必要 |
| 対応機種(発表時点) | Galaxy Zシリーズ3機種から開始し、順次追加 | 48機種(2026年9月25日時点) | iPhone 13以降(iOS 27.0以上)。Androidは後日案内 |
出典:NTTドコモ「『docomo Starlink Direct』国際ローミング接続を開始」(2026年9月1日)、KDDI「au Starlink Direct海外利用、オーストラリアで9月25日から可能に」(2026年9月25日)、au公式サイト「au Starlink Direct 海外でのご利用」、ソフトバンク「『SoftBank Starlink Direct』、9月28日から海外で利用可能に」(2026年9月10日)。
ドコモ:ahamoも対象、データ容量も減らない#
ドコモは2026年9月1日に海外での提供を始めました。ahamoを含む全ての料金プランが対象で、申し込みは不要、料金は無料です(LTE上空利用プランは対象外)。
公式発表では、海外での衛星経由のデータ通信は契約中の料金プランのデータ容量の消費対象外とされています。
注意したいのは対応機種です。開始時点の対応はGalaxy Zシリーズの3機種のみで、順次追加される予定とされています。国内でdocomo Starlink Directを使えている機種でも、海外ではまだ対象外のことがあります。
利用には、最新のソフトウェアへのアップデート、docomo Starlink Directの利用設定、データローミングの有効化が必要です。
au:対象国がいちばん多く、他社回線の人も対象#
auは2026年3月4日の米国を皮切りに、カナダ(6月17日)、フィリピン・ニュージーランド(8月31日)、オーストラリア(9月25日)と対象国を広げてきました。
| 国 | 開始日 |
|---|---|
| 米国 | 2026年3月4日 |
| カナダ | 2026年6月17日 |
| フィリピン | 2026年8月31日 |
| ニュージーランド | 2026年8月31日 |
| オーストラリア | 2026年9月25日 |
KDDIの発表では、日本でau Starlink Directを利用している人は、対象国でも当面の間申し込み不要で使えるとされ、auだけでなく他社回線の人(「au Starlink Direct専用プラン+」の契約者)も対象です。au公式サイトでは料金を「当面無料(SMS送信料、データ利用料含む)」としています。
対応機種は2026年9月25日時点で48機種です。国内の対応機種(107機種、2026年9月時点)より少ないので、渡航前に海外利用の対応機種一覧を確認してください。
国内で「専用プラン+」を使う場合の月額(UQ mobile・povo2.0・他社回線で0円〜1,650円)はLINEの衛星モードは格安SIMで使える?にまとめています。
ソフトバンク:プランによって扱いが分かれる#
ソフトバンクは2026年9月28日から、米国・カナダ・ニュージーランドで海外利用を始めました。フィリピンは「2026年秋」の予定とされています。
料金はプランによって異なります(2026年9月10日の発表)。
| 契約 | 海外での扱い |
|---|---|
| ソフトバンク | 追加料金なし・申し込み不要 |
| ワイモバイル シンプル/シンプル2/シンプル3 | 追加料金なし |
| ワイモバイル その他のプラン | 月額1,650円のオプション |
| LINEMO ベストプラン/ベストプランV | 追加料金なし |
| LINEMO その他のプラン | 月額1,650円のオプション |
利用には「世界対応ケータイ」への加入が必要です。端末はiPhone 13以降で、iOS 27.0以上が条件とされています(国内利用の条件であるiOS 26.4以上より新しいバージョンが必要です)。Androidは後日案内とされています。
LINEMOベストプラン系の国内での扱い(当面はオプションの申し込みが必要で、定額料は全額割引)はLINEMOの衛星通信が2026年9月1日から実質無料ににまとめています。
海外でもできないこと#
国内と同じく、できることはテキスト中心です。各社の発表で使えるとされているのは、メッセージ(SMSなど)の送受信、位置情報の共有、対象アプリでのデータ通信などです。
一方で、次の点は押さえておいてください。
- 音声通話はできない(ドコモ・ソフトバンクとも公式発表で明記。ソフトバンクは緊急通報も利用不可と明記)
- 日本の緊急速報メールは海外では届かない(au公式サイトに「緊急速報メール(ETWS方式)については、日本国内向けサービスのため、海外利用時はご利用いただけません」と記載)
- 屋外で、空が開けて見える場所に限られる
海外の山や海で遭難したときに「衛星があるから現地の緊急番号に電話できる」わけではありません。iPhone 14以降であればAppleの「衛星経由の緊急SOS」という別系統の機能がありますが、提供国は国ごとに異なります。詳しくはiPhoneの衛星機能は格安SIMでも使える?をご覧ください。
渡航前にやっておくこと#
衛星通信は圏外に出てから設定することができません。出発前、国内にいるうちに次を済ませておいてください。
- 自分の端末が海外利用の対応機種に入っているか、契約先の公式サイトで確認する(国内の対応機種とは別の一覧)
- OSを最新にアップデートする(ソフトバンクはiOS 27.0以上)
- ドコモは「docomo Starlink Direct」の利用設定、ソフトバンクは「世界対応ケータイ」への加入を確認する
- データローミングをオンにする必要があることを把握しておく
最後の点には注意が要ります。データローミングをオンにしておくと、衛星ではなく現地の地上の携帯ネットワークにつながった場合に、通常の海外ローミングとして通信する可能性があります。地上の海外ローミングの料金・条件は衛星通信とは別に決まっているため、渡航前に契約先の海外ローミングの案内を確認してください。海外での通信手段の選び方(ahamoの海外利用、povo2.0の海外トッピング、旅行用eSIM)は海外でスマホを使う3つの手段にまとめています。
まとめ#
- ドコモ・au・ソフトバンクの3社が、2026年8〜9月にかけて衛星通信の海外利用をそろえた
- 対象国は米国・カナダが共通。auはフィリピン・ニュージーランド・オーストラリアにも対応(ドコモはフィリピン、ソフトバンクはニュージーランドにも対応)
- 料金は基本的に追加料金なし。ワイモバイル・LINEMOの一部プランはオプション(月額1,650円)が必要
- 対応機種は国内より少ない。渡航前に海外用の対応機種一覧で確認する
- 海外でも音声通話はできず、日本の緊急速報メールも届かない
衛星通信は「圏外でも家族に連絡がつく可能性を上げる」手段であって、通常の通信や緊急通報の代わりにはなりません。それでも、海外の山岳地帯や離島で圏外になったときに打てる手が増えたのは確かです。将来の音声通話への対応予定は衛星経由の音声通話はいつ使える?にまとめました。