スマホが急につながらなくなったとき、まず頭に浮かぶのは「通信障害?」「それとも自分の端末?」という疑問だと思います。
ここを取り違えると、障害なのに何十分も端末をいじり続けたり、逆に端末側の問題なのに復旧を待ち続けたり、といったことが起きます。
先に結論です。確認は「①自分だけか」「②公式の障害情報」「③端末側の切り分け」の順で進めます。
- 家族・同僚の端末はつながっているか(同じ回線/別の回線)
- 契約先の公式障害情報ページを見る(格安SIMなら回線元のページも)
- そこで情報がなければ、端末側を機内モード・再起動から順に切り分ける
順に見ていきます。
① まず「自分だけか、まわりもか」を見る
いちばん手っ取り早い切り分けです。
- 同じ回線を使っている人もつながらない → 障害の可能性が高い
- 同じ回線の人はつながっている → 自分の端末・SIM・契約側の問題の可能性が高い
- 別の回線の人もつながらない → 広域の障害、または通信以外の原因(停電など)
このとき注意したいのが、**格安SIMは「別の会社に見えて同じ回線」**という点です。たとえばUQモバイルはau回線、ワイモバイルはソフトバンク回線というように、サブブランドや格安SIMは大手4社のいずれかのネットワークを使っています。
「自分はUQ、相手はau」でも同じ回線なので、切り分けとしては「別の回線」になりません。ここは意外と誤解しやすいところです。
主要なサブブランド・格安SIMがどの回線網を使っているかは、各社の公式ページで確認した一覧を格安SIMの「回線元」一覧|災害用のサブ回線は別の回線網で持つにまとめました。同じ会社でも選んだプランで回線元が変わるケースがあるので、切り分けの前に自分の回線元を把握しておくと確認が早くなります。
② 公式の障害情報ページを確認する
SNSで「つながらない」という投稿を探す人も多いのですが、投稿は古い障害のものが混ざるため、まず公式ページを見るのが確実です。
大手4社は、それぞれ障害情報の掲載ページを公式に用意しています。
| 事業者 | ページ | 公式の位置づけ |
|---|---|---|
| NTTドコモ | サービス障害情報 | 「お客さまにご不便をおかけするようなドコモサービスの障害が発生した場合、本ページでお知らせいたします」 |
| NTTドコモ | 携帯電話サービスの通信状況(地域別) | 音声・データ通信ネットワークの現在の状況を地域別に掲載 |
| KDDI(au・UQモバイル等) | 障害・メンテナンス情報 | モバイル(au、UQ mobile、WiMAX 2+)ほか個人向け各サービスの障害・メンテナンス情報 |
| ソフトバンク | 障害情報(スマートフォン・携帯電話) | 携帯電話サービスの障害に関するお知らせ |
| 楽天モバイル | 障害情報のお知らせ | 通信障害・一時的に利用しづらい状況のお知らせ |
| povo2.0 | 障害情報 / システムメンテナンス | 障害情報とメンテナンス情報が別カテゴリで掲載 |
ポイントは、KDDIのページがauとUQモバイルをまとめて扱っているように、事業者によっては1ページで複数ブランドをカバーしていることです。
また、povoのように**「障害」と「メンテナンス」が分かれている**ケースもあります。深夜〜早朝につながらない場合は、障害ではなく予定メンテナンスということもあるため、両方を見ておくと無駄な作業を減らせます。
スマホがつながらないのに、どうやって公式ページを見る?
これが実務上いちばんの落とし穴です。モバイル回線が死んでいる状態では、その公式ページ自体を開けません。
対策は3つです。
- 自宅・職場のWi-Fiにつなぐ(回線が別系統なら見られることが多い)
- サブ回線を持っておく(povo2.0を災害用のサブ回線にする方法)
- 家族の別回線の端末から見てもらう
「障害情報ページをブックマークしておく」だけでは足りず、そのページを開くための通信手段まで含めて準備しておく必要があります。
③ 格安SIMは「契約先」と「回線元」の両方を見る
格安SIM(MVNO)を使っている場合、確認先は1つではありません。
- 契約している格安SIM事業者のお知らせページ(そのサービス固有の障害・メンテナンス)
- 回線を借りている大手キャリアの障害情報ページ(ネットワーク自体の障害)
たとえばmineoの公式お知らせページでは、各お知らせに 【A】=au回線、【D】=ドコモ回線、【S】=ソフトバンク回線(プリペイドは【AP】【DP】)というラベルが付けられており、どの回線の利用者に関係する情報かがわかるようになっています(mineoユーザーサポート|障害・メンテナンス情報)。
つまり同じ格安SIM事業者の中でも、選んだ回線によって影響が変わるということです。自分の契約がどの回線なのかを、平常時に確認しておくと迷いません。
なお、契約している会社のネットワークが落ちたときには、2026年4月から始まった事業者間の「JAPANローミング」という仕組みが関係してくる場合があります。詳しくは災害時の連絡手段まとめで解説しています。ただしこれは発動するかどうかが事業者の判断による救済策で、常に他社の電波を使えるわけではありません。
④ 障害情報がなければ、端末側を切り分ける
公式ページに何も出ていない場合は、端末側を疑います。メーカー公式が案内している手順に沿って、簡単なものから進めるのが基本です。
Androidの場合(Google Pixelヘルプの手順)
Google Pixelヘルプ「モバイル接続に関する問題を解決する」では、おおむね次の順で確認するよう案内されています。
- モバイルデータがオンになっているか(設定>ネットワークとインターネット>SIM)
- 機内モードがオフになっているか(設定>ネットワークとインターネット)
- 優先ネットワークの種類の設定(設定>ネットワークとインターネット>SIM)
- 電波強度の確認(Wi-Fiをオフにしてステータスバーのアイコンを見る)
- SIMが有効で正しく挿入されているか
- 端末の再起動(電源オフ後、しばらく待ってから電源オン)
- モバイルネットワークの設定をリセット(設定>システム>リセットオプション)
ケースを付けている場合は外して電波状況を確認する、という案内もあります。
iPhoneの場合(Appleサポートの手順)
Appleサポート「If you see SOS, No Service, or Searching on your iPhone or iPad」では、機内モードを15秒以上オンにしてからオフにすることで再接続できる場合がある、と案内されています。あわせて、端末の再起動、iOSを最新にすること、キャリア設定アップデートの確認(設定>一般>情報でアップデートがあれば表示される)が挙げられています。海外にいる場合はデータローミングの設定確認も対象です。
これらを試しても「圏外」のままなら、契約先に問い合わせる段階です。
なお、障害でもなく端末の不調でもなく、端末が対応していない周波数帯(バンド)が原因で圏外になっているケースもあります。他社で買った端末や海外版の端末を格安SIMで使っている場合に起きやすく、山や地方で急に弱くなるという形で表れます。切り分けの参考に山・地方で圏外になりやすいのはなぜ?対応バンドとエリアの確認方法もあわせてご覧ください。
リセット系は「最後」にする
注意点として、ネットワーク設定のリセットは保存済みのWi-Fiパスワードなども消える操作です。障害が疑われる状況でいきなり実行すると、復旧後に自宅Wi-Fiにつなぎ直す手間が増えます。
順番としては、機内モードの切り替え → 再起動 → 公式障害情報の再確認 → それでもダメならリセット、が安全です。
見落としやすい原因:データ容量と上限設定
障害でも端末の不調でもなく、単にデータ容量を使い切って低速になっているだけ、というケースもあります。とくにAndroidで「データ使用量の上限」を設定していると、上限に達した時点でモバイルデータ通信が自動的にオフになるとGoogleの公式ヘルプに案内されており、この状態は圏内表示のまま何も通信できなくなるため障害と区別がつきません。確認手順と、容量を長持ちさせる設定は災害時にデータ容量が尽きたら?にまとめました。
⑤ 障害だと判明したあと、できること
障害だとわかったら、端末をいじるのはやめて別の手段に切り替えます。
| 状況 | できること |
|---|---|
| データ通信だけ不調 | Wi-Fi経由でLINE・メール等を使う(自宅・公衆Wi-Fi) |
| 回線ごとダウン | サブ回線に切り替える/家族の別回線を借りる |
| 広域災害時 | 災害用伝言板・災害用音声お届けサービス等 |
| 端末の電池が心配 | 省電力設定+モバイルバッテリー |
サブ回線への切り替えは、あらかじめ設定しておかないと当日にはできません。eSIMの追加手順はiPhoneでデュアルSIM(eSIM)を設定する手順とPixelでデュアルSIMを設定する手順にまとめています。
安否を伝える手段としては災害用伝言板がありますが、格安SIMだと自分の情報を登録できない場合があるため、事前の確認が要ります。詳しくは携帯4社の災害用伝言板の使い方にまとめています。
また、そもそも地震や津波の緊急速報メール(緊急地震速報)が格安SIMの端末で受信できる状態かも、平常時に確認しておきたい点です。受信可否は端末で決まるという整理を格安SIMでも緊急速報メールは受信できる?にまとめました。
電源の確保については災害用モバイルバッテリーの容量はどう選ぶ?を、端末側の省電力設定と、そのときに止まる機能については災害時にスマホの電池を長持ちさせる設定を参考にしてください。使っていない古いスマホを予備端末として残しておく方法は古いスマホを災害用の予備端末にするで解説しています。
⑥ 平常時にやっておく3つの準備
障害が起きてから調べ始めると、そもそも調べる手段がない、という状態になりがちです。次の3つは今日のうちにできます。
- 契約先(と格安SIMなら回線元)の障害情報ページをブックマークする
- 自分の格安SIMが**どの回線(ドコモ/au/ソフトバンク/楽天)**か確認しておく
- モバイル回線が使えないときに情報を見る手段を決めておく(自宅Wi-Fi、サブ回線、家族の端末)
- 生活圏のオフライン地図をダウンロードしておく(障害中は地図の読み込みも止まります)
3つ目が抜けやすいところです。ブックマークは、開ける通信手段があってはじめて役に立ちます。
まとめ
つながらないときの確認は、まわり → 公式障害情報 → 端末の順です。格安SIMの場合は契約先と回線元の両方を見る点だけ、大手と違います。
なお、大きな地震などの直後に「圏内なのに電話だけつながらない」場合は、障害でも端末の不調でもなく、通信の集中(輻輳)を避けるための通信規制ということがあります。このときは端末を触っても解決しないため、災害時に電話だけつながらないのはなぜ?で仕組みと切り替え先を確認してください。
なお、地震や豪雨など災害救助法が適用される規模の災害では、障害情報とは別に各社から支援措置(データの追加提供、料金支払期限の延長など)のお知らせが出ます。障害情報ページを見るついでに確認しておくと取りこぼしがありません。内容と確認手順は災害救助法が適用されると通信各社は何をしてくれる?にまとめました。
そして、確認そのものに通信が要る以上、別系統の通信手段を1つ持っておくことが結局いちばん効きます。回線をもう1本持つ考え方はpovo2.0を災害用のサブ回線にする、通信が全滅したときの手段は災害時の連絡手段まとめにまとめています。
この記事の情報について:本記事は、NTTドコモ「サービス障害情報」「携帯電話サービスの通信状況(地域別)」、KDDI「障害・メンテナンス情報(個人のお客さま)」、ソフトバンク「障害情報(スマートフォン・携帯電話)」、楽天モバイル「障害情報のお知らせ」、povo2.0「障害情報」「システムメンテナンス」、mineoユーザーサポート「障害・メンテナンス情報」、Google Pixel ヘルプ「モバイル接続に関する問題を解決する」、Apple サポート「If you see SOS, No Service, or Searching on your iPhone or iPad」の各情報をもとに、2026年7月22日時点で確認した内容です。各社の掲載ページの構成やURL、端末側の設定項目名はOSのバージョンや変更により異なる場合があります。実際に障害が疑われる場合は、必ず契約先の最新の公式情報をご確認ください。